作曲 : risou作词 : risouもしも、私の髪を触ったその柔らかい手が。けれど、あなたの仕草すべてに知らない人の温度が透ける。私が好きになったのは紛れもない、あなただ。今のあなたなんだ。誰かと恋をしてきた、息をしてきた果てのあなたに、惹かれていた。あなたじゃなきゃダメな理由は多分、一つもなかったのにな。泥濘の中、溺れていくように足を絡めた。明け暮れ、傍に居たい訳は夥しく、増えていくのだ。片足もつかない恋ならなんと良かったか。私が恋に落ちたのは他でもない、あなただ。只の、あなたなんだ。慣れた触り方ひとつ、胸を妬いていく。知っている恋の痛みだった。生活に数えてしまうならもう、それは、手遅れだったのだ。屈託のない、窮屈のない愛が怖かった。あなたじゃなきゃダメな理由は醜くも、増えてしまうのだ。酸素さえいらないほどあなたに溺れている。あなたじゃなくていい理由など、なかったのにな。丁寧な口調、穏やかな声、優しすぎる目。私たち、友達でいたらきっと壊し合ってしまうから。恋人でいよう。足を引っ張って、生きてみよう。なんてね。もしも、私の髪を触ったその柔らかい手が。